−併用軌道マンセー−
熊本電気鉄道 
▲藤崎宮前-黒髪町/1989.3.12 F-1N  50mm  PKR


本電鉄。地元では今でも“菊池電車”と呼んだほうが通りがよい、現存するわが国最南端の純粋な私鉄電車である。
 ひとついえるのは、そう遠くない昔、温泉地で知られる菊池まで路線を延ばしていた頃にこの鉄道を訪れていたならば、私にとってここはまちがいなく“田舎電車”としてカテゴライズされていたであろう、ということだ。
 以前は魅力的な旧型車を多数擁していたし、昔の写真をみるかぎり、その沿線情景も県都の郊外とはいえわりと鄙びたムードであった。
 しかし、残念なことに、自分の足で九州くんだりまで足を運ぶ機会を得る前に、菊池−御代志間は部分廃止となり、車輛もそのころ各地の地方私鉄にはびこってボロ電車好きをガッカリ?させていた、元東急5000系が主力と化してしまっていた。

 それでも、この鉄道には、ぜひ訪れてみたいと思わせる強力なセールスポイントが残っていた。ズバリ、併用軌道である。
 その昔は地方に行けば当たり前に見られた、けして広くない道路の路肩を電車が−それも高床式の普通の電車が行き交うさまが今なお目の当たりにできる…!
 今の去ること十数年前の学生時代、サークルの合宿に便乗してようやく九州に行けることになったとき、熊本行きは、当時最後の活躍をしていた西鉄甘木線の旧型車の撮影と並んで、かなりのウェイトを占めることになったのである。

 そして、目論み通りに併用軌道のすばらしさを堪能した初訪問から何年も経ったある日、衝撃的なニュースが舞いこんだ。
 熊本電鉄が、なんと都営三田線の6000形電車を導入したというのである。
 道路の上を走るなど全く似つかわしくないあの20m4扉の銀色の電車が、よりによってあの藤崎宮前近くの酒屋や民家が軒を連ねる裏通りを闊歩する…
 見たい。死ぬ前に一度でいいから見ておきたい!(いや冗談抜きで)と念じること数年、私はよりによって新婚旅行のついでに念願の再訪を果たすことになったのであった。
 ここでは、1989年と2002年の13年の月日をはさんだ変化を対比しつつ、“菊池電車”の様子をお目にかけることとしたい。


▲藤崎宮前-黒髪町/1989.3.15 F-1N  50mm  PKR


▲北熊本 1989.3.15/F-1 50mm  PKR


▲藤崎宮前−黒髪町 2002.1.7  M6  40mm  PKR


 
Outline
熊本電気鉄道株式会社
本線 上熊本―御代志 10.8km
藤崎線 藤崎宮前―北熊本 2.3km
・軌間=1067mm
・動力=電気 直流600V
・開業初年=1911年(M44)

  *開業時は914mm・蒸気→1923 年(T12) 1067mm改軌  電化
  *1986年(S61)2月 御代志ー菊池間営業廃止

・駅一覧(2002年現在)
【本線】 上熊本(JR鹿児島本線)−韓々坂−池田−打越−坪井川公園−北熊本亀井−八景水谷堀川
新須屋−須屋−三ツ石−黒石−電波高専前−再春荘前−御代志
【藤崎宮線】 藤崎宮前−黒髪町北熊本
(実際の運転系統は、藤崎宮前―御代志 と 上熊本―北熊本 に二分されている)

*太字=駅員配置/斜体字=交換設備有/橙文字=国鉄・他社線接続/黄文字=車庫所在地

・車輛
<2002.1現在> EC 14輛(機械扱い1輛)/FC 2輛

Contents<Now Under Construction!>

沿線点描
主要駅の表情
併用軌道を往く
車輛−1989年update
車輛−2002年update
   

 

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